UGSFをアニメ化する方法 第三章

新しいコンセプト・星降る宙のダンデリオン

壁を乗り越える物語

MikuMikuDanceを使ったUGSF航宙機編隊飛行動画が好評を得てから数年、私は更に思案を巡らせ、停滞していたUGSFアニメ化計画とそのベース脚本になる小説の方向性を再定義しようとしていました。
そんな中、当時の友人数名がLGBTQ-T(トランスジェンダー)である事をカミングアウトされ、また、私も同様LGBTQ-B(全性愛者)である事を打ち明ける機会がありました。
その時、私の中でインスピレーションが湧き出るのを感じました。
地球人の女性に近い外見を持ちながらも、性別を持たないボスコニアンは地球人とどう共存しているのか、そもそも、地球人と似ているだけで異なる価値観をもつボスコニアンや他の地球外種族はどう地球人と共存しているのか、国家や民族の壁すら超えられずにいる地球人が、銀河連邦を結成してから先、地球人はボスコニアンを始めとする外宇宙種族とどう共存・共栄しうるのか、それには大きな壁を乗り越える必要があるのではないだろうか?

UGSFの世界では、こうした問題は大きなファクターになりうるだろうと考えた私は、プロジェクト名:スターライトエンゲージを一旦取り下げ、よりシリアスな小説として再構築する事になります。
それが星降る宙のダンデリオンとなります。
この物語では、自分自身のアイデンティティに悩むボスコニアン・地球人混血児のヒロイン、ジョディ・ライマーと戦災孤児の地球人カケル・ルナーサ・ダヴェンポートを軸に、地球人・ボスコニアン・及びその混血児が暮らすボスコニア共和国第三惑星、惑星ダンデリオンでそれぞれの立場から種族の壁から来る問題に悩みながらも立ち向かい、そして克服し、幸せを得ると言うシリアスな内容の物語となりました。
そしてこの星降る宙のダンデリオンの世界をベースに、アニメをいよいよ作る事になるのですが……

スターブレード・ジ・アニメーション

星降る宙のダンデリオンのコンセプトを固めながら執筆している最中、耳寄りな情報が流れてきました。
MMD杯ZERO」の開催です。
MikuMikuDanceの動画投稿者が腕を競うMMD杯では大勢の視聴者がそのイベント参加作を見る為に一斉巡回する為、作品を見て貰うには絶好のチャンスでした。
しかし、私一人でMikuMikuDanceを使ったUGSFアニメを作るには工数が足りないのも事実、そこで最低限の工数で確実に完成させる為、可能な限りミニマムな構成で作る為に以下のような要件で作り上げる事にしました。

  • 登場人物は出てくるがシルエットにし、キャラクターモデルによるアニメーションは行わない
  • MSイグルーのように見せ場は戦闘シーンにし、ドラマパートは最小限に留める
  • ドラマパートはエースコンバット04のように背景映像に主人公のモノローグを載せる形にする
  • UGSFメカモデルは現在存在しないので、ローポリで構わないから自作する

本来であればMMDオリジナルキャラモデルで主人公のアニメーションも入れたかったのですが、工数や衣装などの問題からその点はオミットしつつ、その分戦闘シーンではUGSFやエースコンバットでお馴染みのトンネル潜りや大量ミサイル回避等のシーンを入れて、UGSFらしさを出す方向で数カ月間、PCに向かい作品を完成させました。

作中では純血ボスコニアンの主人公リリカがボスコニア共和国に移民として迎え入れられた物の、既にボスコニア共和国は地球人とボスコニアンの混血児による新たな文化圏が形成されており、そこには自分の居場所が無いように感じながらも、その悩みに向き合いながら戦っていくと言う、星降る宙のダンデリオンの前日譚的な内容に仕上がっています。

続く

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